2017年6月21日水曜日

4万円損するところだった!?恐怖のゲーミングPC化計画


最近、他のゲーム配信者のパソコンの拡張を手伝ったので気付いたことをまとめておく。

まず、その人のパソコンはグラフィックの性能が弱い。
数年前のCPUの内蔵GPU(グラフィックのチップ)
要はグラボ無しパソコンだ。

それでPUBGを遊んでいたのだが、友達に触らせたところ「これでよくキル出来るな」と言われたので、拡張に乗り切った、という話だ。

そこで恒例のリスナーや他の配信者からの数々の助言(無責任)が与えられるわけだが、その中に「4万円くらいのグラボにした方が良いよ」と言うのがあった。

と言うか、そういうのばっかりだった。
たぶん、そいつが最近買ったグラボなんだろう。

確かに4万円くらいのグラボならPUBGは快適に遊べるだろう。
精密な画面が滑らかに動けば、今より敵を狙いやすくなる。キルもしやすくなる。

では4万のグラボはどういうものかと言うと、こういうやつだ


まず目につくのは冷却装置かな、大きな扇風機みたいなのが二個もついてるね。
その下にチラッと見える銀色のパイプは熱を移動させて効果的に冷却させる為のヒートパイプというものだ。
高性能なGPUを効果的に冷却する工夫が織り込まれた製品だね。
これならPUBGも快適に遊べそうだ。

でもこんな凄いゴツイ製品が、その人が使ってるパソコンで使えるのかな?
Amazonでは重量1.7キロなんて書いてあるし、消費電力も心配だ。

だって、その人のパソコンはスリムタワーって言う省スペースパソコンなんだから。

スリムタワー


ミドルタワー(右)と並んだスリムタワー(左) ちっちゃいね!


たいていのスリムタワーはロープロファイルって言う、幅が半分くらいの拡張ボードしか刺さらないし、電源装置も弱い。だいたい300Wくらいしか無い(ミドルタワーは安くても500Wくらいの電源が多い)

だから取り付けられるのは、こういうロープロファイルのグラボになる


そして大事なことなんだけど、今現在4万円くらいのグラボにロープロファイル対応のものは無いんだ。

だから、もしこの人が僕に相談せず、4万円くらいの高価なグラボを買っていたらと思うとゾッとする。

と言うか相手のパソコンの大きさも電源容量も知らずに、よくもまあ「4万円くらいのにした方がいいよ!」なんて言えるなあと僕は呆れてしまう。

そんなことを言われて、お金を無駄にした人は、僕の知らない所に、たくさん居るのだろう。

そんな僕はロープロファイルの中では現在最速で、価格対性能比(コスパ)も良いし、省エネに定評のあるGTX1050tiを選んだ。

値段も1万6千円くらいで、少し前のグラボと比べればGTX960とかGTX760以上の性能がある。
家庭用ゲーム機と比べてもPS4より高性能だ。

中間以下の設定ならPUBGも十分快適に遊べるし、何より3年前のCPU内蔵GPUとは比べ物にならないくらい高性能だ。

これ以上の高性能グラボを乗せるなら、それが搭載されている10万円くらいのデカいミドルタワーのゲーミングパソコンごと買い直すことになる。
ちょっとそれは割に合わないし、現実的じゃない。それに本人も望んでない。

さらにPUBGを快適にプレイし、なおかつ配信することを考えてメモリも見てみた。
今は8GBが1枚刺さっているので、もう1枚8GBを増設すれば容量は倍の16GB。
更にデュアルチャネル接続になるからメモリのアクセス速度も2倍になる。

メモリは同じ規格、同じメーカーの商品を探した。
値段も7千円弱で、割高でも激安でもなかったので、それを選んだ。

結果、グラボもメモリも予定通り動き、その人のパソコンはグラボがGTX1050TIのGDDR4GB メインメモリはDDR3の16GB(8GBx2)と、スリムタワーにしては、なかなかのゲーミングパソコンになった。
CPUはHaswellのcorei5だから元々そんなに悪くない。

かかった費用は、およそ2万3千円だ。

PCゲームが別物のようなキレイさと滑らかさになり、読み込みも早く、他の人と通話しながら長時間の配信も安定していた。
しかも「かかった費用はPS4やニンテンドースイッチ等のゲーム機よりも安い」と、とても喜んでもらえた。

ハッピーエンドだね。

ところで「4万円くらいのグラボ」という判断は、正直僕もわかる。
今のゲームを、とてもキレイな映像で快適に遊べるし「せっかくだから、しばらく安心できる性能のものを」なんて考えると3万円から5万くらいの性能の商品は別に間違いじゃない。むしろ良い選択かもしれない。
でもそれはケースバイケース。人による。

値段の割りに高性能な高コスパなグラボも、それは『ちゃんと予定通り使えたら』であって、使えないならただの無駄だ。

初心者とか子供は、なんでも「○○の方が良いよ!」とか「○○が1番!」とか言いがちなんだけど(どっちが強いとか、最強、みたいな)一般社会とか、お仕事になると『何が足りなくて何が出来るか調べる』と言う行為が当たり前のように入る。
査定とか調査とかね。
その上で予算とか都合に合わせて「今回は○○にしましょう」と言うご提案をするものだ。人様のお金の使い方を助言するわけだからね、責任も伴う。
面倒くさくて退屈な話かもしれないけど、ちゃんと意味がある。大事なことなんだ。

社会経験のある大人の人なら、新卒の若い社員が安易に「出来ます!」とか「大丈夫です!」なんて言っちゃって、大事になったり、それを叱ったり、
また自分も働き始めの頃に、そういう経験をしたなあ、と耳が痛い人も居るのではないだろうか。

基本的にネットの配信で飛び交う「○○が良いよ」「○○にしなよ」はこういうものだ。
例えるなら診察もしないで、薬を出そうとするヤブ医者のようなもの。

薬を飲むのは自分、使うお金も自分のお金、無責任なアドバイスには気をつけよう。



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2017年5月7日日曜日

PUBGをキレイな画面で安定して配信するために


PUBG(PlayerUnknown's Battlegrounds)と言うPCゲームが世界的ヒットを飛ばす中、連日多くの配信者がPUBGを配信している。

それに伴ってPUBGを快適に遊んだり配信するための質問やアドバイスが飛び交っている。
このゲームは重い。
配信もするとなると結構パソコンに負担がかかる。

多くの人が、グラボだの、ラグだの、メモリだの、光回線だの「重たい原因は何だ!?」と犯人探しに躍起になっているようだが、どうも的外れで、見当違いの質問とアドバイスが散見されるので、まとめておく。

まず、グラボ(グラフィックボード・ビデオカード・GPU)だ。
グラボっていうのは、映像を担当する部品で、CGや動画やらに関わってくる。
パソコンでゲームをやる時に、きれいな映像を滑らかに表示するのに欠かせない重要な部品だ。

今GTX1070(約5万)を使ってる人が「PUBGが重いからツイキャスで高画質に配信できないGTX1080TI(約10万)にしようかと思っている」と言ってきた。

これはグラボが犯人だと思っている例だ。
そしてグラボの性能を口実にしている。

その人は僕の配信をとてもキレイだというのだが、僕はGTX1050TI(2万弱)を使っている。
その人が今使っている5万円くらいのGTX1070に比べて値段も性能も半分以下だ。

じゃあ、原因はグラボじゃないよね、犯人はグラボじゃない。
PUBGは確かに重いが、そこまで最新最高のグラボが必要と言う訳ではない。

そしたらみんな「じゃあ何なの?何が原因なの?早く言ってよ」って思考になりがちなんだけど、物事はそんなにシンプルじゃない。複雑で難しいものなんだ。

原因っていうのは、だいたい解決した後にわかる。
いや下手したら解決した後になっても原因はわからない。
でも解決したり改善したから、これでいいじゃないか。って言うことも多いんだ。

映画とか小説で考えてみよう。
お話も対象別の作り方があってね、子供向けはわかりやすくて、善悪が区別されてる。
最初に悪の組織のリーダーが「私が悪の組織のリーダーだ、人類を滅亡させる」って自分から言う。
そして次に正義の味方の組織が「我々は正義の為に戦うなんとか戦隊だ!出動!」って言う。
勧善懲悪ってやつだね、
この場合犯人は『悪の組織のリーダー』だよね?自分から名乗ってくれるから超わかりやすい。

複雑で多機能な高性能コンピューターと開発中のゲームソフトがこんなに分かりやすかったらどんなに楽なことだろう。
でも、残念ながらそうは行かない。

例えば大人向けの推理小説は、物語が終わって犯人がわかったり、読み終わってもハッキリとは、わかんなかったりする。

ゲームソフトは大人向けの推理小説より、もっと複雑なコードを書き足したり、書き直したりして作っていく。
だから何が原因かってことはゲームソフトを開発してる本人たちもハッキリとはわかんなかったりする。
現にPUBGの開発者もインタビューでも「○○に関しては調査中」とか「最適化が終わることはない」なんて言ってる。
これはゲーム開発において当たり前の事だ。

※ここまで読んで「なんだ、結局原因はわかんないのか。もっとズバッと原因は”メモリ何ギガ以上”とか”グラボは○○で決まり”とか言ってくれると思ってたのに」って思った人は読んでも理解できないからナントカ戦隊でも観ててね。

よって、これで1個重要なことの見分けがつく。
「CPUはcorei7が良いよ!メモリは16GBじゃないと駄目だよ!グラボはGTX1080が良いよ!回線は有線が良いよ!無線じゃ駄目だよ!」みたいなアドバイスは、ただの思いつき。
しかも、思いつきを断定してるから、幼稚な嘘だ。
これらの実態は、それらを言ってくる人が”そう思っただけ”なんだ。

こういう人は、たまたま当たってたら「ほら!やっぱり!僕わかっちゃったもん!えっへん!凄いでしょ!僕は天才!なんでもパソコン博士だよ!」って言いたいのかな?

「君もナントカ戦隊でも見てろ」って感じだね。

そして、これは質問する側にも言える。

「原因は光回線じゃ無いからですか?」とか「無線じゃだめですか?」って聞いてきた人が居るんだけど、回線なら実際の上下の速度と応答速度を色んなサーバー相手に測定したり、動画配信とPUBGでどれくらいの通信品質や速度が求められるか調べて、やっと「だいたい大丈夫そうだから、これくらいの設定でやってみよう」とか「通信回線を変えてみよう」程度のことが少しずつわかってくるものだ。

「光なら大丈夫」とか「無線じゃ駄目」とか、簡単に返事できるものじゃない。

そんな話をしてると、返事の説明は最後まで良く聞かずに「じゃあスペックですか?」って質問を割り込ませてきたりする。

さっきの話の通りで、この質問者も原因探し(犯人探し)をしているんだろうけど、これは質問するくせに返事は聞いてないわけだから、いつまでたっても良くなるわけないね。

返事聞かないなら質問しなきゃ良いのにね。意味ないじゃん。

質問してるのに、返事を聞く姿勢が「説明とかどうでも良いから、さっさと原因を教えてくれ」って感じで、『学ぼう、考えよう、調べよう、試そう』って気が全然無い。

当たるまで当てずっぽうで「Aですか?Bですか?Cですか?...」って延々と質問する。

別に無線でも快適に遊べる人も居るし、有線だから絶対大丈夫ってわけでもない。
ADSLやホームルーターでストレス無く遊んでる人も居るだろうし、光回線だって酷いのもある。

そして「スペックですか?」なんだ?
みんな何を持って「スペック」って言ってるんだ?

昔の高スペだって今の低スペだし、今の最新パーツもやがて低スペになるし。
来年出る最新パソコンだってモバイル省エネタブレットだったら低スペだよね。

この場合、目的を達成”できた”か”できなかった”か、と言う結果に対して始めて「十分なスペックだった」とか「○○のスペック不足だから買い増しや買い替えをしよう」って判断材料にするのはわかる。

しかし、何もする前から相手にスペック(性能・仕様・諸元)すら伝えずに「スペックですか?」って言うのは何が聞きたいんだ?エスパーじゃないぞ?

ちなみに先日、僕がパソコンの様子を見て配信の設定を手伝った人は、3年前に数万円で売られていた家庭用とか事務用のノートパソコンだ。
GPU(グラボ的なもの)はCPU内臓のオマケみたいなやつでGeForceとかRadeonはついてない。
つまりゲーミングじゃない。

その人は無料で自分から教えてくれる『知り合いの詳しい人』達から、色々聞いたそうで、結果、各々が思っただけの”決めつけ犯人探し”に影響されまくり、ゲームの設定も配信ツールの設定もグチャグチャにされて余計酷いことになっていた。

「○○だよ」「△△じゃない?」「□□が良いよ」と言われて振り回されて、その人らを信じて設定したりしたのに、無責任な彼らは改善しないとわかると、さんざん指図したくせに「もうパソコン買い替えなよ、そんな低スペじゃ無理だよw ゲーミングパソコンじゃないとPUBGは出来ないよ。20万円以上のデスクトップにしなよ」と、突き放されたそうだ(よくあるやつ)

彼らは「ただで教えてあげるよ」って言う割に、言う通りにしても全然良くならないし、言ってることがバラバラだし、結局は「買い替えな」と突き放すので、知る限り一番詳しい人である僕のところに「今のパソコンではPUBGが動かないので20万円~30万円くらいのゲーミングパソコンを買いたい。どれが良いかわからないので、選ぶのを手伝って欲しい」と言う相談で来た。

製品名を聞いて仕様を確認したところ、僕には似たスペックの同世代のパソコンでDBDを動かした経験があった。
よって僕は「まずは今のパソコンで動くかどうかは僕が様子を見て、本当に不可能だったり、動いたとしても動作に満足しないなら、その時買い換えを検討しよう」と提案した。

そして適した設定や調整をした所、PUBGは割とすんなり動作し、落ちることもなく安定して配信も出来た。

もちろんゲームは普通に遊べたし、操作も視点もスムーズだ。
ちゃんとゲームとして成立して現にキルも出来た。

よって事実としてPUBGは数年前のノートパソコンのCPU内蔵グラフィックでも動作する。しかも同時に動画配信も可能だ。しかもツイキャスどころかYou TubeLIVEでハイビジョン画質で出来た。

その結果に対し、本人もパソコンの買い換えは必要ないと感じ、20万円以上も浮いたと喜んでもらえた。

その人とは別に、去年、数十万円で買ったばかりのハイスペックゲーミングパソコンを使っている人がPUBGの配信を自力でしていたが、画面はガクガク、走るとグチャグチャ、動画配信はクルクルして、音は飛び飛びのプツプツ、やがて配信は終了してしまった。

前述のノートパソコンの人も、ただ20万円のパソコンを買っただけでは同じことになっていたかもしれない。

なら問題はスペックが『高いか低いか』ではなくて『目的やスペックに見合った設定や調整』だよね。
※もちろん性能は良い方が良いけどね。

上手く思い通りにいかない時に「ただスペックが足りない」って言うこと、それがいかに何の意味もないか伝わっただろうか。

そんな感じで適当なことを言って他人をかき乱し悪影響を与える本人は”教えてあげてるつもり”なので質が悪い。

似たようなケースはまだまだいっぱいある。

例えば「配信が重いならゲームのPUBGの画質設定は最低にしなよ」と、いきなり相手のパソコンの性能も聞かずに言う人がいっぱい居る。

対象者のグラボはGTX1080とか『画質設定が高でもウルトラでも余裕がある、新しくて高性能なグラボ』なのに、それを確かめずに言うから、もちろん全く改善しない。
そしたら「あれ?変わんなかった?w」っと笑ってごまかす。

そして、悪びれもせず、何も考えずに思いつきをコメントし続ける。

じゃあ回線じゃない?え?光回線?
じゃあCPUじゃない?え、最新のcorei7?
じゃあメモリじゃない?え?16GB載せてる?
じゃあ、ツイキャスの調子が悪いんだよwえ?他の人は普通に配信できてる?

これが延々と続く。
※見たことあるよね、こういうの。

PUBGはたしかに重いけど何十万円のハイスペックパソコンが必ず要るわけじゃない。
そして何十万円のパソコンがあっても、適した設定をしなければ配信は上手くいかない。

何も出来ないくせに教えたがる、迷探偵パソコン戦隊の見当ハズレの幼稚な知ったか決めつけ犯人探し『教えてあげるよ』に付き合っても時間の無駄だ。
むしろ悪化することが多い。

口実探しや、思いつきで犯人を決めつけるのはやめて、自分で試行錯誤して、よく考えて調べるか、贈り物やお礼にアマギフは安全で安心だ。



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